盲導犬ジョナと登った3000m

著者/石黒謙吾

(2004年発行)

原則、発行当時のまま電子版として再現しています。本文の内容につきましても発行当時の情報となっています。ご了承ください。

■目が見えなくなって幸せです!
■富士登山、日本縦断マラソン、百観音巡り……。病む母への強烈な想い。盲導犬・ジョナと、ひとりの視覚障害者の物語。

これまで50以上のマラソンや、ウルトラマラソンに参加し、1999年には3400キロに及ぶ日本縦断を成し遂げた、富山在住の視覚障害者・宮本武さん。そして、宮本さんとともに立山、富士山に登り、百観音巡りをしたジョナは、クイールと同じ、パピーウォーカーの仁井さん、そして訓練士の多和田さんに育てられた。

母への思い、盲導犬への執着、マラソンで知った出会いのすばらしさ……。ジョナのほか2頭を含め、3頭の盲導犬に支えられ、常に挑戦を続ける宮本さんの、誰も真似することのできないその人生を、70点あまりの写真とともにつづりました。

「目が見えなくなって、家にこもってじっとしている生活。そんな宮本さんを、外に出してくれたのは盲導犬だった。「私は、みんなに生かされてきたんです。もし目が見えていたら、きっとマラ ソンも登山もやっていなかったと思います」盲導犬と歩くことによって、自分の手や足で、生きていけるんだと感じることができた。マラソンをすることで、たくさんの人と出会う喜び、あたたかさにもふれることができた。

「私は目が見えなくて本当に幸せです」その言葉は、強がりでも何でもない。宮本武という人間が、失明し、盲導犬と暮らした中で芽生え育った、彼の生き方そのものなのである。(本文より)」

「クイールのパピーウォーカーだった仁井さんご夫妻が、クイールの前に預かっていたのが、この本に登場する盲導犬ジョナで、言わば兄弟分。仁井さんに「すごい盲導犬使用者の方がいます」と聞き、富山県在住の宮本武さんの半生と盲導犬を描いた本を作りました。目が見えなくなってから、50以上のマラソンを走り、日本縦断一人旅、盲導犬と百観音巡り富士山を登った、挑戦し続ける視覚障害者宮本さんと盲導犬のすさまじい人生」