
命を賭けた最終ピリオド
文/国府秀紀、構成/石黒謙吾
(2001年発行)
原則、発行当時のまま電子版として再現しています。本文の内容につきましても発行当時の情報となっています。ご了承ください。
■余命1年を宣告された男が命と引き換えに日本のスポーツ界を変える!
■「ZONE」(TBS系)で4回にわたって放映され話題騒然!
古河電工アイスホッケーチーム廃部の危機を乗り越え,市や県、そしてさまざまなひとに支えられ誕生した、市民クラブ「日光アイスバックス」。誕生から2年目、再建に尽力した男がガンで余命1年の宣告を受ける……。今なお、残された時間を懸命にバックスに捧げる高橋健次の生き方を、本人含め数々の証言で綴る、3年間の感動の記録。
「高橋は、涙ながらに続ける。「俺が余命1年という宣告を受けたにもかかわらず、
死の恐怖を感じることがないのはすべて友人のおかげ。バックスの選手、スタッフはみんな仲間。この仲間を大切にして戦えば、どんなチームにだって勝てる。一番大切なのは、仲間を大事にすること。今後、いろいろなことが起こると思うけど、つらい時は俺のことをいい方向で思いだして頑張れ」話し終えた高橋が部室を出ようとすると、選手全員が出口に並び、高橋に握手を求める。「いつまでも泣いてちゃ、駄目だろ」といいながら、高橋の目からまた大粒の涙がこぼれる。選手の手から、闘志と祈りが、高橋に伝わる……。(本文より)
●第1章 市民クラブ日光アイスバックス ●第2章 万年最下位チームが与える夢 ●第3章 3億5000万円への試練 ●第4章 すい臓ガン告知。余命1年 ●第5章 市民クラブの苦悩 ●第6章 二度目の廃部 ●第7章 夢、続く限り……
「TBS「ZONE」で2年にわたり追っかけて放映していた話です。ガンで余命1年を宣告されながら、地元日光のアイスホッケーチーム存続に、まさに命がけで情熱を注いだGM・高橋健次さんの壮絶な歩みを追ったノンフィクション。僕も取材で2ヶ月間週1回日光に通い、人生観や人の心についてなど話を聞かせていただき勉強し、毎回涙したのが大きな財産となっています。健さんは結局、宣告から2年で還らぬ人となってしまいました」



