
犬がいたから
著者/石黒謙吾
(2007年発行)
原則、発行当時のまま電子版として再現しています。本文の内容につきましても発行当時の情報となっています。ご了承ください。
■生きていくあなたを、犬は見つめている。
■犬がいたから、今僕はこうして生きている!
人生に疲れ、途方にくれていたあの頃、そっと寄り添い、支えてくれた犬たちがいた! 『盲導犬クイールの一生』の石黒謙吾が贈る、心にしみいる「犬と人との物語」珠玉のショートストーリー7編。
集英社の女性誌ポータルサイト「s-woman.net」に連載した『奏でられた犬』全6話に、そこそこ長めの書き下ろしを加えた7編。7編のうちの4編は、自身の体験です。「パッへルベルのカノン」「波の音」「ボレロ」など、<犬を軸にした日常に、音楽や音が絡み合う>真夜中にボリュームを落として聴くギターの調べのような小説。
●母親がいなくて犬に支えてもらった少年時代 ●芸大浪人生時代の名曲喫茶のバイトと苦悩 ●32歳での警備員生活の時に出会った老婆と犬 ●ある日、妻の実家からいなくなった老犬
と、46年間における節目の鮮烈な記憶を記しました。
犬を軸にした日常に、音楽や音が絡み合い、さまざまな感情を掘り起こします。カバーはじめ、犬の写真も僕が撮っています。犬を通して見える、人の気持ちを描きましたが、連載時のタイトルが「奏でられた犬」だったように、隠れテーマとなっているのは「音楽」です。
●第1話 裏口にいた犬[主人公]芸大浪人生 [舞台]名曲喫茶 [曲or音]パッへルベルのカノン [犬]柴犬
●第2話 海の犬[主人公]大学生 [舞台]海の家のバイト [曲or音]波の音 [犬]ラブラドール
●第3話 夜の犬[主人公]母のいない少年 [舞台]アパート [曲or音]車のエンジン音 [犬]柴犬の子犬
●第4話 展覧会の犬[主人公]OL [舞台]美術館 [曲or音]展覧会の絵 [犬]ジャックラッセル
●第5話 工事現場の犬[主人公]警備員 [舞台]工事現場 [曲or音]あら野のはてに [犬]雑種の老犬
●第6話 君は犬[主人公]OLと元カレ [舞台]手紙 [曲or音]森高千里の歌詞 [犬]犬に似ている顔
■第7話 知っていた犬[主人公]親子3代、夫婦 [舞台]田舎の郵便局 [曲or音]ボレロ [犬]雑種の老犬



